旅と料理の編集プロダクション
スタジオ・ページワン
Studio Page one
スタジオ・ページワンは、「旅」と「料理」をもっとも得意とする編集プロダクションです。
国内から海外まで、現地の旬の情報を取材します。企画から編集、ライティングまで行ないます。
INFOMATION
【ご報告】
弊社スタジオ・ページワン・コーポレーションは2023年7月に、移転いたしました。
また、創業者 木村小左郎の急逝に伴い、昨年の7月7日には『お別れの会』を開催し、多くの方にご臨席賜りました。ありがとうございました。当日の様子はこちらから…つづきを読む……
ABOUT
スタジオ・ページワンについて
スタジオ・ページワンは、「旅」と「料理」を最も得意とする雑誌や書籍の編集プロダクションです。企画から取材、撮影、編集、ライティング、デザインまで、まとめてお任せください。今年で創立43年、国内から海外まで世界中を旅してきたスタッフが、誌面作りをお手伝いいたします。雑誌の編集頁やパンフレットの制作など、旅や料理以外のジャンルも承ります。まずはお気軽にお問い合わせください。
BOOKS
五七五の随想録
価格 1,760円(税込)
発行 ユニコ舎
出版年月日 2021年4月25日
仕様 四六判・ソフトカバー
頁数 206頁(本文)
こちらからご購入いただけます
日本と世界の旅の記事を書いて四十余年になる。
趣味で始めた俳句は今年で二十五と短いから易しそうだが、
それがなかなか思うようにいかない。
俳句頭になっているときは
すっとフレーズが湧いてくるのだが、
そうでないときは、無理やりひねくり回すだけでものにならない。
それでも俳句は楽しい。
旅と俳句のエッセンスを、これからも書き続けていきたい。
故 木村小左郎
Kosaburo K
photo by Fumio Takashima
OTHER
社長の
一日一句
紫陽花や面会謝絶の札とれて
俳句を始めたのは、平成十年。大磯に住む友人から誘われ、地元の湘南俳句会に入会した。その翌年の三月、鎌倉の鶴岡八幡宮で行われた実朝忌俳句大会に、湘南俳句会の仲間と一緒に参加した。無論、俳句大会なるものは初体験だったのだが、すでに数年のキャリアがある湘南俳句会の仲間を尻目に、「享年は二十八なり実朝忌」で選者のお一人である清水基吉氏から天をいただいてしまった。清水氏は芥川賞作家にして俳人、当時は…… Next
Photo×取材のひとコマ
photo by Fumio Takashima
鰹節とともに出汁の決め手となる昆布は、日本料理に欠かせない食材のひとつ。その昆布を扱って一筋、150年の歴史を誇るのが敦賀市にある奥井海正堂である。
奥井海正堂を語るうえで見逃せないのが、蔵囲昆布だ。北海道の礼文島や利尻島で収穫された天然昆布を、専用の昆布蔵で寝かせることで旨みをさらに引き出した昆布である。
「昆布は昔から、1年から2年ほど寝かして出荷するのが当たり前でした。新しいものは磯臭さとかぬめりがありますから、貯蔵することでそれらを取り除くのです。当社では専用の昆布蔵で、産地から届く高級昆布はすべて少なくとも1年以上は寝かせます。昆布によってはさらに2年、3年、10年と熟成させることもあります」と語るのは、同社の中川高志営業部長。
中川さんの案内で昆布蔵に入らせていただくと、ひんやりとした空気と昆布の放つかすかな香気の中、包装された大量の昆布がうずたかく積まれている。札にはそれぞれ「平成八年度香深一等級」とか「平成三十年度香深一等級」などと書かれている。香深とは、昆布の産地の最高峰とされる礼文島の香深浜のことだ。
圧倒されていると、「これが平成元年度香深一等級です」と桐の箱入りの昆布を見せてくれた。平成元年といえば1989年。なんと32年モノだ。艶があり、黒く鈍く輝くその姿は、まさにヴィンテージ昆布の一級品といえるだろう。
Travel&Life 12-1月号より抽出